SEKAIDO dot line <<BACK 画材,額縁の通販サイトON-LINE SHOP dot 店舗紹介 dot 会社概要 dot BACK HOME dot
第2回世界絵画大賞展

■ 審査員のことば ■

   審査員長 米倉守(美術評論家・松本美術館館長)

絵は画家の子どもではなく、画家が絵の子どもなのだろう。
水準の上った今回の公募で入賞、入選の三原色を私は考えていた。
一つは「古くて歳月を感じるもの」、二つは「小さいもの」、大げさでないもの、三つは「大切なもの」、何が大切かを暗示しているもの…である。
大賞の伊藤雅史さんは流行の新しさを持っているが、これって地球と同じぐらい古い仮想。
老眼に分かりやすい世界なのだ。
小林夏奈子さんも古い物語、幼いもの、うぶなものたちがそれぞれの時間を生きている。
平井うらかさんの古くて年月を経た記憶。
そしてこれらの作品の担っている「大切なもの」は何か、という表現力が三作品にははっきりしていた。
自我でも個性でもない、三原色の大事さである。
これらの作品のもっている時間は、私にとってはアナザー・タイムで、それを手に入れた審査だった。
米倉賞もこの流れにあり、他人と競争して残る、という美術ではなく、他人との距離をたしかめ自分を確める方法としての作画に魅かれた。
良い方向に行っている二回展審査だった。

   審査員 遠藤彰子(画家・武蔵野美術大学教授)

二回となる世界堂絵画大賞展は、応募作品1,311点に対して入選作80点と、入選率6.1%という大変厳しい審査となりました。
傾向も多様化し、全般の水準は去年よりも高かったと思います。
伊藤雅史氏の作品は、破天荒な自由さがあり、とても力強い作品に仕上がっています。
活力が主張を成しており、その刺激的な画面が、今回の大賞の受賞となりました。
優秀賞の平井うらか氏の作品は、やわらかな光の据えかたに象徴的な雰囲気が活き、画面に美しい調子の幅を作っています。
今後のイメージの展開に期待が持てます。
同じく優秀賞の小林夏奈子氏は、線画の魅力を表そうとした作品で、平面空間における独自の物語性は不思議な感覚を誘います。
じっくりと時間をかけ、しっかりと描いている良さも見るものを惹き付けます。
遠藤賞の三浦孝輔氏の作品は、モザイク状の画面空間に有機的なユーモアが感じられ、作者の言葉になっています。
画面に心地よいリズムを感じるところに好感が持てました。
受賞に至らなかった候補作品や、惜しくも入賞を逃したものの中にも、優れた作品が多数ありました。
創造力を高めていくという活動は、簡単に結果が出るものではありませんし、結果ですら大きな流れの中の一つの過程にしか過ぎません。
自分の内面から込み上げてくるようなリアリティのある作品を、来年も期待しております。

   審査員 佐々木豊(画家)

「大賞 伊藤雅史に毀誉褒貶あれ」

「えっ、これが?」伊藤雅史氏の大賞作品に多くの人は首をかしげるにちがいない。
毀誉褒貶雨あられ。
これこそが大賞作品が最初に受ける栄誉なのである。
三島由紀夫は言っている。
「新しい芸術作品に出会うと人は醜悪に感じる。やがて美しいと思うようになり、時が経つと、陳腐に見えるようになる。」(大要)
優秀賞の小林夏奈子氏平井うらか氏の受賞作品は誰しも美しいと思うだろう。
洗練された色彩、なめらかな絵肌は気品さえただよわせている。
しかしである。
私がもう少し若くて根気があれば、描けなくもないな、と思わせるところがある。
私は自分でも描けそうな絵に賭けようとは思わない。
よくいっても私ていどの未来しかないからね。
それに比べると、望んでも伊藤氏のようには描けない。
あんなはちゃめちゃな絵、常識人の私が描けるわけがない。
時代の風は、明るさへ軽みへと吹いている。
その風を巻き起こした村上 隆氏の「GEISAI」に終止符がうたれたと聞く。
行き場を失った若い世代がこの大賞展に応募してくれたら、それは間違いなく伊藤氏の功績であろう。
佐々木賞の本間佳子氏はいくつかの絵をマルチスクリーン風に1つにまとめた手腕をかう。
余分なものを削ぎ落す視点も必要だろう。
遠藤賞の三浦孝輔氏は数少ない抽象画にあって、華やぎも幻想味もある。
米倉賞の木藤恭二郎氏の白黒のドライで明快な表現は、文学趣味のしめっぽい多くの作品の中にあってひときわ目立った。


© SEKAIDOこのページのトップへ戻る